贈収賄・カルテル対策

海外コンプライアンスリスク

 近年、日本企業が違法行為に関与したとして海外当局より高額の制裁金を課されるケースが増えてきています。しかしながら、海外コンプライアンスリスクを軽減するために、リニエンシー制度や米国の量刑ガイドラインを含む減刑制度が存在し、企業がコンプライアンスプログラムを確立するインセンティブ制度が設けられています。そのため多くのグローバル企業が自社グループのコンプライアンスプログラムを確立する対策を継続的に実施しています。

贈収賄・カルテル対策

当事務所では、グローバル企業における贈収賄・カルテル対策のためのコンプライアンスプログラムの導入や運用を支援致します。

法令等の概要

贈収賄概要 海外腐敗行為防止法(Foreign Corrupt Practices Act:FCPA)は、企業による外国(国を問わず)の公務員に対する汚職行為を罰する米国の連邦法です。現在まで、ほとんどのFCPAに基づく訴追は、米国で上場されている企業または外国で事業を行っている米国の企業に対するものでしたが、多くの日本企業を含む外国企業もFCPAの対象となる可能性があり、また、米国当局は今後FCPA をより広範に運用するという方針を打ち出しています。日本のグローバル企業にとって非常に脅威である法律のひとつです。
カルテル概要 カルテルとは、他の事業者と共同して製品やサービスの価格を決定したり、生産量や出荷量を制限する等の行為を言います。カルテルが行われると、市場における自由競争が阻害され、ユーザーや消費者は自由競争が行われる場合に比べ高い対価を支払わねばならなくなります。このため、多くの国では原則として禁止されており、違反行為に対しては制裁金等の罰則が定められています。


一般的なコンプライアンスプログラムの導入イメージ

 Step 1:事前準備

1-1. 推進チームの教育

  • ⇒ 事前準備として、プロジェクト推進チームに対して、カルテル防止及び贈収賄防止の教育研修を実施し、チームの能力を向上するとともに達成すべき目標を共有します。
  • ⇒ 教育研修は、経営者(子会社を含む)、子会社管理担当部門、法務コンプライアンス担当部門、内部監査部門、人事部門、経理部門が参加することがのぞまれます。

 Step 2:子会社等のリスク評価

2-1. 子会社等のリスク評価

  • 以下のような手法を用いながら、子会社等の状況を把握し、リスク評価を実施します。
    2-1-1. 既存規程のレビュー
    2-1-2. 子会社の責任者又は担当者へのインタビュー
    2-1-3. アンケート調査(質問票の作成・回収・分析)

 Step 3:規程の改訂・導入

3-1. グローバルポリシーの作成

  • ⇒ グローバルポリシー(日本語・現地語化)を作成します。

3-2. ローカルポリシーの作成

  • ⇒ 国や地域により、法令が異なるためグローバルポリシーを尊重しつつも、現地の法令に合わせたカスタマイズを実施する。通常、下記の規程が改訂・導入されることになります。
    <規程・ポリシー>
    行動規範 | 贈収賄防止規程 | カルテル防止規程 | コンプライアンス規程 | 購買管理規程 | 人事規程、懲戒規程 | 内部監査規程 | 内部通報規程 | その他

3-3. 新規程の導入・教育・運用開始

  • ⇒ 新規程の教育研修等を実施し、周知します。

 Step 4: 監査・モニタリング

4-1. 監査計画及び手続の立案

  • ⇒ 通常の実施している内部監査に含めて実施することは難しいため、カルテル防止及び贈収賄防止に関する監査計画を立案し監査手続を作成します。

4-2. 監査の実施

  • ⇒ 実地監査を実施し、規程類の遵守状況等を検討する。なお、改善事項があれば指摘し、後日フォローアップ監査等を実施します。
    ⇒ リスクが低い子会社等においては、実地監査以外の方法で規程類の遵守状況等を検討する場合があります。


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